腎臓病(じんぞうびょう)という病気は、糖尿病や高血圧などの病気と比べて普通の人には馴染みが少ない病気かもしれません。しかし、症状病が進行すると腎不全(じんふぜん)になり、臓器移植を受けるか定期的に(二日に一回)病院で人工透析を受けないと命がなくなってしまうという、実に恐ろしい病気です。そして、一度腎不全になってしまうと、腎臓の機能は二度と回復することがありません。自覚症状が少ない病気なので、生活習慣が良くないと少しずつ身体を蝕んでいきます。腎臓病と診断された人もそうでない健康な人も、この恐ろしい病気に対する理解を深めておくことは大切なことです。世界的に見ても、日本は腎不全となって人工透析を受ける患者の数の割合は非常に高く、しかもその数は年々増加していく傾向に有ります。腎不全になる前の段階を慢性腎臓病と呼びますが、慢性腎臓病と診断された場合、腎不全にならないように病気をコントロールして進行を遅らせることが必要になります。慢性腎臓病になると健康な人と比較すると狭心症や心筋梗塞などの心臓に関わる病気等になりやすく、そのため死亡率も高くなります。普段から腎臓をいたわるために正しい知識と健康的な生活習慣を送ること、定期的に健康診断を受診して早期発見、治療に努めること、そして、残念ながら腎臓病になってしまったら(診断されたら)食事療法等により病気の進行を食い止めることです。このページでは腎臓の働きと予防方法、対処法としての食事療法などをご紹介します。

腎臓病を予防する:腎臓の働き

腎臓はよく「沈黙の臓器」と呼ばれるように、腎臓病の初期段階ではほとんど自覚症状が現われません。したがって、本人が「自分は健康だ」と思っていても、実際は病気が進行しているということもあります。また、進行のスピードが遅いと、症状がかなりすすんでもまったく自覚症状が出ない、という人もいるほどです。したがって、予防するためには定期的に健康診断を受けたり、献血をして自分の体調をこまめにチェックしておくことが効果的です。ところで、腎臓とはどういう機能を司る臓器でしょうか。腎臓の機能は主に3つあり、もっとも重要な機能は体内の血液をろ過して老廃物を尿として排出するという働きです。腎臓の機能が低下すると、血液中の老廃物の割合が高くなり、浮腫(むくみ)、食欲不振などの自覚症状を引き起こすことがあります。二つ目の機能は新しい血液を造るためのホルモン(造血ホルモン)をだすことです。造血ホルモンの刺激によって新しい血液が作り出されるため、機能が低下すると新しい血液が作られず貧血を引き起こすことがあります。三つ目の機能は、カルシウムを吸収しやすくする機能です。カルシウムを吸収する効率が悪くなると、いくら健康的な食事をしていても体内に必要な栄養素が取り込まれなくなります。さらに、不足したカルシウムは体内の骨を溶かしだすことによって補われることになります。すると骨は密度が低くなり、骨折などのリスクが高くなってしまいます。さまざまな役目を担っている重要な臓器ということがいえます。

腎臓病の対処法:食事療法

腎臓病(またはその疑いあり、など)と診断された場合、病気の進行を食い止める、または進行を遅らせる対処法を取ることになります。原因はさまざまですが、他の病気などが原因になっている場合、その病気の治療をすることにより進行を抑えることができます。糖尿病が原因となるケースが一番多く、この場合は腎臓病の治療とあわせて糖尿病の治療を同時に行っていくことになります。また、腎臓病の進行を進めてしまう症状としては、高血圧があります。薬物治療として高圧剤を使用する場合もありますが、食事療法も効果的です。食事療法の基本は蛋白質と塩分の摂取を制限することです。蛋白質を取りすぎると、血液中の老廃物の量が増えるため、腎臓の負担が高くなってしまうからです。塩分の取りすぎは血圧を上げることになるので、厳密な制限をする必要があります。しかしこの低蛋白かつ減塩の食事療法は、非常に味気ない食事となってしまうので、レシピを工夫する必要があります。普通のレシピから塩分を減らした分は、スパイスなどの香辛料やレモン、酢などを使うことで補います。唐辛子やカレー粉で辛味を強めたり、ニンニク、しょうがなどで風味を強くする、葱などの薬味を多くする、などの工夫をすれば、普通のレシピと比べて遜色ない味が出せるはずです。また、どんな料理を作れば良いのか判らない、毎日腎臓病食のレシピを考えるのは大変、という場合は、健康食の宅配を利用すると良いでしょう。バランスが取れていて美味しい料理を食べることができます。