水虫の痒みは我慢ができないものです。そのかゆさは人目もはばからずにかきむしりたくなってしまうほどです。また、白癬菌に感染した足は嫌な匂いがするので、同僚、部下、上司、恋人、友人、家族からも嫌われる原因になってしまいます。そもそも、日本は高温多湿な気候にもかかわらず、ビジネスマンの足元は通気性の悪い革靴を履くのが常識になっています。しかも忙しく毎日残業しているような人は靴の手入れをしている時間も無く、毎日履いていると革靴の中は白癬菌にとっては天国といえます。むしろそんな生活をしていて足がかゆくならないほうが珍しいとさえいえます。「風邪、水虫、癌のどれか一つの治療薬を作ったらノーベル賞もの」などと言われることもありますが、他の二つの病気とことなり、適切な薬を使用してしっかりとした治療をすれば決して治らない病気ではありません。痒みがあるのに無理して我慢をしたり、あやしい民間療法に頼ったり、自己判断で市販薬を買って使用していると症状が悪化してしまうことさえあります。必ず皮膚科の専門医を受診して、自分の症状に適合した薬を処方してもらい、指導を受けることが重要です。放置して症状が悪化すると、皮膚が湿り気を帯びてジュクジュクとし化膿してしまうこともあります。放置すればするほど完治までの期間もそれだけ長くなり、結果的に自分が苦しむことになるのです。しかも問題はそれだけではなく、厄介なことに水虫は他人にも感染してしまう病気です。風呂場の足拭きタオル、スリッパ、絨毯などを介して白癬菌は他人に感染してしまうのです。

原因と予防法

猛烈な痒みと匂いを引き起こす厄介な水虫の正体は白癬菌という”カビ”の一種です。白癬菌は人間の皮膚を栄養として繁殖します。足だけではなく身体中のいたるところで繁殖する可能性がありますが、一番が活動しやすく繁殖しやすいのが靴を履いた人間の足であり、それが水虫と呼ばれていますが、正式には足白癬(あしはくせん)という名称です。水虫の原因は実にさまざまですが、白癬菌自体は人間の住むところならばどこにでも存在しています。主な感染源として上げられるのはスーパー銭湯などの共同浴場、プールなどの足拭きマット、ホテル、食堂や病院などで使用される共用のスリッパなどはその代表格です。しかし、白癬菌の付いたスリッパを履いたからといって全員が全員水虫になるわけではありません。常に身体を清潔に保ち、健康で抵抗力が高ければ、感染する可能性は低いのです。逆に言うと、抵抗力が落ちていたり、入浴を面倒くさがったりして不潔な身体であれば感染のリスクが高いということです。菌の活動が活発になるのは、高温多湿になる春先から梅雨をピークに暑い夏が終わるまでです。乾燥して寒い秋から冬に掛けての期間は菌の活動は鈍くなりますが、現代は住居の密閉性が高まったのと、暖房器具が発達していて冬でも高温多湿な環境があることから、冬場であっても感染する可能性はあります。従って、水虫を予防するには普段から身体、特に足(足の指や足の裏を中心に)を清潔に保つ為に毎日入浴し、健康に過ごすことが重要です。時間が無い場合でも足だけシャワーを浴びるとリスクを減らすことができます。

治療法と環境整備

水虫の治療の第一歩は、専門の医師による診断を受けることです。自己判断で市販薬を使用していると、症状や体質に合わずに皮膚がかぶれたり、逆に症状が悪化してかえって強い痒みを引き起こすことさえあります。また、水虫は内科でも診察をしてもらえますが、できれば皮膚科の専門医に受診することをお奨めします。多くの症例を見ている分だけ正確な診断が期待できます。水虫の治療には塗り薬を使うことが一般的です。症状によっては内服薬を併用することもありますが、大抵は塗り薬を指示されたとおり適切に使うことで完治します。しかし、薬だけに頼るのでは効果も半減してしまいます。薬を使う前に足全体を清潔にすることが重要です。従って、入浴後などに薬を使用するのが効果的です。水虫は上にも書きましたが冬場などの寒冷な季節では活動が鈍くなります。すると症状が治まったり軽減したりするので、治ったと思い込んで自己判断で治療を止めてしまうと、菌自体は足の皮膚にしっかりと残っていることが多いので、再発の危険が高くなります。医師の指示をきちんと守り、完治を宣言されるまで地道な努力を続けることが大切です。また、治療だけでなく、水虫が繁殖しにくい身体と環境を作ることも重要です。できれば風通しの良いサンダルなどを履くと良いのですが、不可能な場合は靴を最低でも三足は用意し、同じ靴を履き続けないようにしましょう。靴下はできれば予備を携行し、足先が湿ってきたら取り替えると良いでしょう。足拭きは毎日洗濯する、床の掃除は念入りに行うことも有効です。