糖尿病は血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が高まることにより全身の代謝異常がさまざまな合併症を引き起こします。主な合併症としては網膜(もうまく)障害、腎臓障害、神経障害の三つがあります。網膜障害を起こすと眼球の血管からの出血によって失明の危険もあります。また、白内障の危険性も高まるというリスクもあります。腎臓障害は身体の老廃物を尿中に排出する機能が低下してしまうので、排出されない老廃物が体内に蓄積し尿毒症を引き起こすことがあります。症状が進行して腎臓の機能が停止してしまうと、一生人工透析が必要になるなど負担が大きいのが特徴です。最後に神経障害は手足の末端の痺れや痛みを引き起こします。消化器系の神経に障害が起きると下痢や便秘、血管の神経では立ちくらみなどの症状があり、いずれも日常生活上に重大な影響を及ぼします。またその他にも糖尿病では動脈硬化が起き易くなり、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などのリスクも高まります。健康診断で糖尿病、または糖尿病の疑いありと診断されたら、一刻も早く治療するようにしましょう。糖尿病の治療には運動療法と食餌療法が有効ですが、何より大切なのは自分で判断しないことです。特に初期段階では自覚症状が出にくいのでまずは医師に相談し定期的に通院をすることです。月一回程度の通院でも症状を把握することにより血糖値をコントロールすることができます。また、治療の効果で一見治ったように見えても、一度糖尿病になったということは糖尿病になりやすい質や生活習慣を送っているということです。定期的なチェックと医師の指導を受けることことが大切です。

糖尿病の食事療法

食事療法は糖尿病治療の中でももっとも基本的な治療方法です。いくら運動療法や薬物療法を行っても食事療法ができていないと治療の効果は思うようにあがりません。食事療法の基本は適正なエネルギー量を守ることです。かかりつけの医師や管理栄養士に標準体重に基づいたカロリーを算出してもらい、一日三食でなるべく均等に、規則正しく摂取する必要があります。多すぎても少なすぎてもいけません。エネルギー量が決まっているので、レシピを工夫する必要があります。副菜の種類を多くして一品ずつの量を減らすと見た目が豪華になり、品目数も多く摂取できます。また、こんにゃく、きのこなどのノンカロリー食や、野菜などの食物繊維を多めにとり入れることで分量を増やすことも効果的です。ゆっくりとよく噛んで食べることで満腹感が得るようにします。早く食べると満腹中枢が刺激されず、結果的に空腹感に苦しむことになってしまいます。味付けは薄味が基本ですが、単に塩分を減らすだけだと味気ない食事になってしまうので、酢、レモン、香辛料などを上手に使って工夫すると良いでしょう。ただし、市販のドレッシングは油分や塩分が多めに含まれていることも多いので注意しましょう。飲酒は食欲を増進させる上、合併症に影響があることが多いので、できれば控えましょう。どうしても飲みたい場合は、医師に相談の上量を決めて飲みましょう。食事療法をしっかりと自己管理することが糖尿病の治療の鍵となります。

糖尿病の運動療法

運動療法は、糖尿病の治療において食事療法と並んで車の両輪のようなもので、正しく行うことで食事療法の効果が高くなります。効果的な運動療法は、日常生活上一人でいつでもどこでも無理なくできるような運動が適しています。糖尿病の症状によっては強い運動が逆効果になることがあるので、運動の内容は必ず医師に相談してから行うべきです。ジョギング、ウォーキング、なわとび等は手軽でだれでもできますが、体重が重い場合は足腰に負担がかかるので、水泳や自転車などが適しています。運動の頻度はできれば毎日、少なくとも週に3回は行うと良いでしょう。一回の運動時間は30分程度で、息切れがしない程度に抑えます。継続するためになるべく楽しい気分で行える運動にするのが秘訣です。また、普段の生活でもなるべくエレベーターやエスカレーターを使わずに階段を使ったり、通勤で一つ手前の駅で降りて歩くなど工夫をすると良いでしょう。食事療法と運動療法で糖尿病のコントロールをする上で重要なのは、日々の記録です。体重測定はもちろんのこと、食事のカロリー計算、運動量、血圧測定結果などを毎日記録しましょう。通院時に医師に見せる他、体重の現象や血圧の正常化など、効果が目に見えるようになると、毎日の自己管理にも力が入ります。薬物療法は食事療法や運動療法だけでは不十分な場合に行われますが、薬物療法だけで治療ができるわけではありません。糖尿病の治療には毎日の生活を自己管理を継続することがもっとも重要です。